臨学産連携委員会

日本政府は、健康・医療戦略を中核とした日本再興戦略を2013年6月に閣議決定しましたが、その健康・医療戦略は、医療分野の研究開発の推進とその成果の円滑な産業化によって世界最高水準の医療を国民に提供することで健康長寿社会の形成に資するだけでなく、その過程で創出された健康・医療産業の海外展開を促進することによって我が国の経済成長にも寄与することを目標とした戦略であり、これを実現するために政府や行政による様々な振興策が進められてきました。

そして、その振興策の一つに、医療機器の開発や事業化を支援する「医療機器開発支援ネットワーク」の立ち上げ(2014年10月)がありますが、日本臨床工学技士会もそのネットワークの関連団体となっており、「臨床現場からのニーズ抽出と提供」および「開発された医療機器等の性能・保守に関する評価」という役目を担っています。

そこで、埼玉県臨床工学技士会においても、2020年10月に埼玉県産業振興公社と合同で第一回目となるニーズマッチング会の開催を皮切りに臨学産連携活動を開始し、2022年6月からは正式な委員会として活動を行っており、今後も講演会やニーズマッチング会などの企画を予定しております。

特に、ニーズマッチング会に関しては、2022年5月に閣議決定された「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する基本計画」において、「真に臨床現場で必要とされる医療機器を創出するためには、臨床現場のニーズに応じて医療機器の研究開発が行われることが必要であり、そのニーズは臨床現場から直接得ることが最も効率的な方法であると同時に、医療従事者も積極的に臨床現場のニーズを提案し、企業とともに研究開発に取り組むことが重要である。」といった内容の文言が繰り返し登場することから、医療機器の操作や保守点検を生業とする臨床工学技士によるニーズの提供は医療機器開発にとって非常に重要であり期待されている部分であることから、会員の皆様からのニーズ収集やニーズマッチング会の開催は積極的に行って参りたいと考えています。

以上、まだ立ち上がったばかりの委員会ではありますが、医療機器開発の専門家という臨床工学技士の新しい役割を後押しする委員会として今後も活動して参りたいと思いますので是非会員の皆様もご協力を宜しくお願い致します。